お城マニアが作るお城訪問記録サービス「攻城団」の作り方

ーー まず、攻城団と、こうのさんについて教えてください。

攻城団というサービスを運営しております。日本全国にあるお城を検索できて、その訪問記録を残せるサービスです。最初は単純にスタンプ帳がわりに訪問記録を残すだけのサービスでしたが、公開後に写真投稿機能や、フォローした人の活動履歴だけを追いかけられるタイムラインなどを開発して、「お城めぐり」という趣味を一生楽しんでもらえるようなサービスに育ててきました。

ーー 攻城団の着想はどこから生まれましたか。

サービスのアイデアは2008年頃に生まれました。ぼく自身が友人と城めぐりをはじめた際に、「日本100名城」というスタンプラリーの存在を知ったのですが、大半のお城はスタンプラリーの対象外となっており、訪問記録を残す方法がありませんでした。当時はFoursquareなどの位置情報サービスがあったので、その要素を取り入れつつ、だけどゲーミフィケーションでは一生楽しんでもらえないと思ったので、ゲーム性は捨てて、「シンプルな記録管理ツール」としての側面を強化しました。

ーー ビジネスモデルのアイデアはありますか。

目下、試行錯誤している最中です。ようやく月間100万PVを超えて、メディアとしてもそれなりに認知してもらえるようになってきました。ただ自分としては塊としてのPVよりも、平均セッション時間がずっと10分をこえていることこそが攻城団のメディアとしての価値だと思っています。なのでこの利用者との強いつながりを、彼らの信頼を損ねないかたちで収益化に活かせないかと考えているところです。

ーー 将来的にはどのようなゴール設定をしていますか。

サービスが自分の死後も存続できるように法人化をしました。あとはこの会社を自立させて、数名でいいので人も雇って、将来を託せる状況をつくることがゴールです。ぼく自身は社長をやりたいわけでも、サービスの管理人をつづけたいわけでもないので、適任者が見つかればひとりの利用者としてお城めぐりを楽しみたいと思っています。

ーー これまでで一番大きな課題は何でしたか、またそれを乗り越えるためにどんな工夫をしましたか。

サービスが成長しているかぎり、サイトの負荷対策は常に課題としてあります。攻城団の場合、テレビでお城が紹介されるとアクセスが跳ね上がるのですが、サービス開始当初はすぐに落ちてました。こういうテレビきっかけの突発的なアクセス増はリピーターになる率が低く、そのために日頃から利用してくださってる方に迷惑がかかることが申し訳なかったのですが、DBサーバーを独立させたり、プログラムを書き直したりして、最近はお城の特番が放送されてもなんとかさばけています。

ーー 個人開発を進める上で何かオススメのツールはありますか。

Gitすら使いこなせてないですし、いまだにBootstrapのバージョン2を使ってるくらいなので開発についてなにかを語れるとは思っていませんが、Coda 2というのを使ってHTMLもPerlのコードも書いています。

ーー 無茶振りですが、開発会議ユーザーへメッセージをください。

個人だから、小規模だから生み出せるサービスがあると思います。あらゆるジャンルで、常に複数の選択肢が提示されるように、いろんなサービスが日々生まれたらいいなと思うので、次に開発会議で取り上げられるサービスに期待しています。

取材の感想

まず、こうのさん自身がお城巡りが好きで、「攻城団」が好きが高じて生まれたということです。しかし、好きだけでサービスを作り上げているだけでなく、ユーザーの要望を答えながら、必要に応じて法人化するといった積み重ねの作り方は多くの個人開発者の勉強になる話だったなと思いました。

攻城団
攻城団

全国にあるお城の一部はスタンプがあるので記録できるのですが、それ以外の大半のお城の訪問記録を残す方法がなかったので自分でつくりました。あわせて写真やクチコミも投稿できるようにして、訪問した人が未来の訪問者に対して情報共有できるようにしています。


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